農業共済新聞の紹介

近畿版京都支局記事

2018年7月4週号

新たな特産に 耕作放棄地をオリーブ園へ

宮津市

 宮津市は、行政のサポート、農業者の努力、イタリアの技術を組み合わせ、高品質なオリーブオイル生産に取り組む。地域活性化と遊休地の解消に向け、目指すはオリーブ栽培の産業化だ。

瀬戸さん

日置地区のハウス(1棟)では宮津市内に植栽する10品種・約1000本の苗木を育成。「今すぐには結果は出ないが夢とロマンが詰まっている」と瀬戸さん

藤田課長

「値段が高くても、品質の良さで購入してもらえるものを目指したい」と話す藤田課長

アンドレアッキオさん

「農業者の立場に立ち、適期のアドバイスや作業の手伝いをしています」と話すアンドレアッキオさん

 国内でのオリーブオイル消費量は約5万5千トン。そのうち国内産はわずか0.05%程度。需要は毎年伸びていて、食品以外にもせっけんや化粧品など裾野が広く、オリーブ栽培も管理が比較的容易だ。
 オリーブの生産振興を任された宮津市産業経済部農山漁村振興課の藤田憲一課長は「オリーブ栽培は地域の活性化に必ずつながる」と栽培促進を決意した。
 2013年、高齢化でミカン畑などの遊休地の増加に悩む由良地区で、有志による「由良オリーブを育てる会」が発足。翌年には267本を植栽し、栽培が始まった。
 16年には日伊文化交流協会と連携協定を締結し、オリーブ事業が本格スタート。オリーブの栽培や加工技術の向上などをサポートし、情報発信や販売戦略などオリーブ産業全体をマネジメントする組織が設立された。
 同協会代表のヴィンチェンツォ・アンドレアッキオさんは「宮津市のオリーブオイルは搾油方法や保存方法によりもっとおいしくなる。全力でサポートしたい」と意欲的だ。

良質苗木を輸入

 収量を安定させるためには苗木が重要で、イタリアで認証を受けたものを輸入。現在は府中、日置、宮村などの地区も加わり、市内で約1800本、約20品種のオリーブが栽培され、昨年から人工授粉の研究も始まった。
 日置地区では約10アールの耕作放棄地をオリーブ畑に再生させた。パワーショベルなどを使い約60センチ耕起するなど、苗木の植栽まで2カ月の作業を要するが、今後さらに30アールを再生させる予定だ。
 「日置オリーブを育てる会」の瀬戸享明(たかあき)さん(62歳)は「オリーブ栽培を通じて連帯感が生まれました。チャレンジ精神の機運を高めていきたい」と話す。
 同市は19年度末までに1万本の栽培を目指していて今が正念場。藤田課長は「今はまだ規模が小さいですが、一つの産業として発展できるよう全力で頑張ります」とぶれずに前を見据える。


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